江古田鐵道 DCC&HOのブログ

DCCとHOゲージのブログです 車両は旧国鉄中心です

トラブル発生 BXP88動作せず

BXP88


問題なく動作していたレイアウトが突然おかしくなりました。

トラブルは2月末頃発生しました。

最初に気付いたのは、BXP88のBoardID=2が突然OPS Red LED とZONE Green LEDが交互に点滅し、全く動作しなくなりました。BoardID=3も同様に動作しません。写真ではBoardID=2 をSW-2 としています。また、Green IDが2つ点灯しているように見えますが、IDのGreen LEDが反射しています。OPS Red LED が点灯しZONE Greenが消灯している状態です。

LEDBoardID=1とBoardID=4は正常に動作しているようです。

DigitraxやRailroad & Co.のHPやForumを調べてみましたが原因不明。

6個のBXP88の内4個が動作していない様子。2個はOPS Red LED とZONE Green LEDが交互に点滅し全く反応せず、ほかの2個はIDの変更が確認できない状況に。

結局新しく2個をモデルランド田中から新規購入し、4個をホビセンに持ち込み、有償交換してもらう。

その後Forumの記事(KB55)でBXP88のAddress設定をPLAIN NUMBERにするよう記載されている。

有償交換品を設定すると、ID=2を設定したものは正常に動作するが、同様にDCS240に接続して設定したものはどのような理由かわからないが、OPS Green LED とZONE Green LEDが薄く点滅しその内消えるがIDボタンを押してもRed LEDは点灯するが点滅には至らずID設定が出来ず、かつ動作もしない。結局有償交換品の3個は動作せず。新規購入のBXP88は正常に動作。その後1個は動作することが確認出来た。

OPS Red LED とZONE Green LEDが交互に点滅は調べてみるとDigiIPLでD/L中にこの状態になり、途中でCancelするとこの状態になることが判明。改めてIPLをすれば問題なく正常に終了する。IDが変更できない(確認できない)2個は、おそらく正常であったのではないかと推定される。

4月30日(日)時点で、4個全てのBXP88が正常に動作している。

現在のBlockとBXP88のAddress(Detection Section No.)の一覧を下表に示します。

 

  Block名 路線名 BXP88  Detection Section No. Transponder Ditector
 
1 ISM 内廻り線 1-1 001 1-1
2 ISS1   1-2 002 1-2
3 ISS2   1-3 003 1-3
4 IE1   3-1 017 3-1
5 IE2   3-2 018 3-2
6 IN   3-7 023 3-7
7 IW1   2-1 009 2-1
8 IW2   2-2 010 2-2
9 OSM 外廻り線 1-4 004 1-4
10 OSS1   1-5 005 1-5
11 OSS2   1-6 006 1-6
12 OE1   3-3 019 3-3
13 OE2   3-4 020 3-4
14 ON   3-8 024 3-8
15 OW2   2-3 011 2-3
16 OW1   2-4 012 2-4
17 YSM ヤード線 4-1 025 4-1
18 YSS   4-2 026 4-2
19 YSB   4-3 027 4-3
20 YE1   3-5 021 3-5
21 YE2   3-6 022 3-6
22 YN   4-4 028 4-4
23 YW1   1-7 007 1-7
24 YW2   1-8 008 1-8
25 Y1E ヤード 4-5 029 4-5
26 Y2E   4-6 030 4-6
27 Y3E   4-7 031 4-7
28 Y1W   2-5 013 2-5
29 Y2W   2-6 014 2-6
30 Y3W   2-7 016 2-7
31          
32 未使用   2-8    
30 未使用   4-8    
31          
32          

DigiPLLで機器名が表示される機器は正常に動作しているようである。

 

 

自動運転 6列車の自動運転(4)Message

前回TimeTableについて掲載しました。

TimeTableが起動すると、指定された時刻に各Scheduleが起動します。それによってMainのSwitchboard上に車両の現在位置(Block)がハイライトされ、進行する二つ先のBlockまで薄くハイライトされ線路も黒黄のトラ柄に変わります。

上図は前回のTimeTableの15:08過ぎのSwitchboardです。

Schedule "キハ YSS to OSS 0Sec delay"が既に起動してBlock "YW2" に在圏しています。これから向かうBlock"YN"、その先のBlock"OW2"が薄くハイライトされ、それらのBlockを繋ぐ線路が黒黄のトラ柄に変わっています。ポイントもトラ柄に変わっています。

同時刻のSchedule "Hokutosei ISM to YSM w/c 20Sec delay"は15:08:20に起動するように設定しているため未だ起動していないか、起動してもまだBlock"ISM"内に在圏しているため、Block"ISM"がハイライトされ、Block"IE1"とBlock"IE2"が薄くハイライトされ、それらのBlockを繋ぐ線路が黒黄のトラ柄に変わっています。

このようにSwitchboardを見ていればどの列車がどのBlockに在圏し、どの方向に走行するかわかります。

しかし、何かトラブルが発生した際にはSwitchboardではわかりません。その時に役立つのが "Message Window" です。

 

このMessageは14:30からになっています。30分ごとに同じTimeTableが起動していますので、前回のTimeTableの30分前ですので、このMessageのTimeに30分足していただくとTimeTableの時刻と合います。

Messageの中に黄色の△に!が記されているのが8か所ありますが、他のESU Decoder搭載列車では出ておらず、原因不明ですので無視してください。Messageを見ると各ScheduleのStartとTerminaite(終了)の時刻がわかります。また、TimeTableに記載のないScheduleがいくつかあることに気が付きます。例えば、最下部から4段上14:40:00の欄に "Engine '9600 W/FC' started by Schedule '9600 Y1W to YE1 W/C' in Block `Y1W' "というメッセージがあります。前回のTimeTableで14:40に30分足した15:10に "9600 Y1W to YE1 W/C"があります。Messageで同時刻にTimeTable通りに起動していることがわかります。そしてMessageの14:41:56にこのScheduleが終了したことがわかります。終了と同一時刻にMessage上では "Engine '9600 W/FC' started by Schedule '9600 YE1 to YSS'  in Block 'YE1' "が記録されていますが、TimeTable上にはこのスケジュールは記載されていません。これは、Schedule " 9600 Y1W to YE1 w/c" にこのスケジュールの終了後に自動的に起動するスケジュールとして "9600 YE1 to YSS" が設定されているためです。Schedule名の中に "w/c" とあるのは、スケジュール終了後自動的に起動するスケジュールがあることを示しています。

また、14:32:47に" Scheduled wait for Engine 'キハ58 621' in block 'YN' of Schedule 'ISS1 to ISS2 via YN' "のメッセージがあります。これは Schedule "ISS1 to ISS2 via YN"に 「Block"YN"に入ったら停車して60秒待つように」に設定してあるからです。14:32:47に " Scheduled wait ended ・・" とありますが、この時点で60秒過ぎたので再び走行し始めることを表しています。

このようにScheduleには各種の設定が可能で、単純にTimeTableを見ただけではわからにことがあります。

また前回書いた通り、TimeTableでは各Schduleの起動時間が記されています。Messageを見るとScheduleの終了時刻もわかります。

今回のMessageではすべてのScheduleが正常に起動・終了していますが、トラブルが発生すると赤の×印でメッセージが表示されます。

Message Windowの常備に虫眼鏡マークがあります。これを押すと、PCとCommand Station間でやり取りしたすべての項目が表示されます。(どのBlockをReserveした、どのRoute をReserveした、どのポイントを切り替えた、等PCから指示した詳細や、逆にCommand Stationからどのブロックにどの列車が侵入(在圏)したか等々、詳細なメッセージの送受がわかります。トラブル発生時この詳細メッセージが原因究明に役立ちます。

自動運転 6列車の自動運転(3)仕組み(TimeTable)

自動運転の仕組みはどのようになっているのでしょうか?

基本的にはPCのソフトウェアであるTrainContlloler(最新バージョンはVer.10ですが、使用しているのはVer.9です)がコントロールしています。

TrainContllolerには、TimeTableとSchedulesという機能があります。

TimeTableは、単純に言うと複数のSchedulesを起動する時刻を決めています。

TimeTableは、分単位で各Scheduleを起動するようになっています。実は私のような小さなレイアウトでは秒単位で起動したいところですが、TimeTableでは分単位のため秒単位で起動するためには一工夫が必要です。私はScheduleのDelay機能を使っています。詳細はScheduleで説明します。

また、TimeTableはScheduleを起動する時刻を決めているだけですから、起動した後はScheduleで設定した速度、汽笛鳴動等で動作します。したがってSchedule同士がコンリクトするTimeTableは動作しませんし、Schedule、Dispatcherの作成(3) 衝突防止の仕組み(2019/11/22)で掲載した通りScheduleでは在圏しているBlockの2つ先のBlockまでScheduleが起動すると他の列車が入らないように閉そくします。これができないとSchedule自身が起動しません。またScheduleの終了は、設定されている到着ブロックに列車が入って一定時間後になります。これらの状況を考えながらTimeTableを作成する必要があります。

TimeTable

今回設定したTimeTableです。今回設定したTimeTableは12個のScheduleから成立しています。この内15:00と15:03に設定されているSchedule”Hatsukari OSM to OSM 15Sec Delay"は全く同一のものですが、ほかのScheduleは個別のものです。これらのScheduleの意味は、例えば15:08の”Hokutosei OSM to YSM w/c 20Sec delay"は列車名が北斗星でBlock"OSM"を出発しBlock"YSM"に到着する。"w/c"はこのScheduleの後に自動的に他のScheduleが起動することを意味しています。"20Sec Delay"はまさしく15:08の20秒後にこのScheduleが起動することを意味しています。

15:00に3個のSchedulesが設定されていますが、9600型SLはSchedule "YSS to Y1W via YN"で15:00:00に動き始めますが、キハ58 508はSchedule "OSS to OSS 15Sec Delay"で15:00:15に動き始め、”はつかり”はSchedule "Hatsukari  ISM to ISM 30Se Delay" で15:00:30に動き始めます。

ただしここで気をつけなければいけないのは、たとえ"15Sec Delay"を設定して列車自体は15秒後に動き出しても、Schedule自体は15:00:00に動作を開始し、Start Block の2つ先までのBlocks及びそれらのBlock間にあるRoutsそしてTurnoutがあればTournout(s) をReserveしてしまいます。

このため例えばISS1及びISS2から出発する同一方向の列車のScheduleを同一時刻に設定すると、双方ともBlock"IE1"をReserveしようとして、どちらかのSceduleが設定できず、Messageに赤字のアラームが表示されます。15:03の"ISS1 to ISS2 via YN"と15:04の"ISS2 to ISS1(Long)を同一時刻に設定することは出来ません。

Scheduleの中には列車名を記していないものもあります。ScheduleはStartBlockに在圏している列車に対して作用します。後ほど書きますが、列車によって最高速度、加速度、連結されている車両数等が異なるため、同じScheduleでも例えば出発から到着までの所要時間が異なります。このため、列車を特定したScheduleが必要になります。しかし、15:02と15:03のスケジュールは列車を特定していません。これは両方ともにQuantumのキハ58の2両編成が対象で、運転のたびにBlock"YN"に停車中の列車を別のキハ58が追い越すためスタートBlockが毎回変わり車両の特定ができないためです。列車の走行特性が同一であれば列車名を特定する必要はありません。

 

今回のTimeTableでは、基本のTimeTableが14:00から設定してあり、全てのScheduleが全日30分ごとに20:00まで繰り返すよう設定されています。Edit Modeで見るとTimeTableが14:00~14:10まで設定されていることがわかります。TimeTableは特定の曜日、特定の時間帯等自由に設定することができます。今回のTimeTableが終了するのは約14分後ですので15分ごとに繰り返すことも可能ですが、不都合が生じたときに15分で修正してすぐ結果がわかるため30分ごとに繰り返しています。

最後にTimeTableを起動するためには、MainのSwitchboardで右端にあるClockをクリックしておく必要があります。下の図はTimeTable起動前の図です。列車名がハイライトされているBlockに各列車が在圏していることを表しています。留置線のDD51D51は今回のTimeTableには関係ありません。

 

 

 

自動運転 6列車の自動運転(2)システム

前回のYouTubeをご覧いただけましたでしょうか?

今回は自動運転がどのような仕組みで実現されているか見てみます。

自動運転はDCCシステムとソフトウエアで実現しています。

DCCシステムは私の場合、米国Digitrax社の製品を使っています。

約20年前にDCCを始めたころ、KATOがDigitraxの代理店?になっていて、Digitrax社のZEP ZephyrをKATOがD-101の商品名で販売していました。商品のパネルを日本語のパネルに変更してあり、日本語の取説もついていました。私もいまだに試験運転等で使っています。D-101はDCのコントローラと類似の外見で、入門機として販売されていました。またその上の上位機種として、Command Station(DCS100)とThrottle(DT400)及びUniversal Panel(UP5) をセットにしたスーパーチーフがKATOから販売されていました。数年前まではホビセン東京のHPにDCCのページがありこれらの商品の紹介もありました。残念ながら現在のホビセンのHPにDCCのページはありません。

余談ですが、運動不足解消と称して、先日ホビセン東京まで歩いてみました。これまでは車で行っていましたが、徒歩の最短ルートで歩いてみたら2.5Km程度で30分強でつきました。店員さんとDCCの話をしたら、「KATOとしてはDCCを継続する予定で、D-101の後継機種としてDigitraxのDCS52 Zephyr ExpressをKATOブランドで出すことになっているがまだ出せていない。」と話していました。ただ、「DCCの分野ではESUが伸びており、悩ましい」とも話していました。店内を見ていたら、KATOの通販にも既に出ていないEF510のDCCサウンド付きがウインドウにあり聞いてみたら展示品しかないが販売可能とのことでつい手が出てしまいました。帰宅してCV#8を見たらESUのDecoderが搭載されていることがわかりました。Decoderの詳細、特に音源がわかれば掲載します。

余談が長くなりましたが、私は現在もDCCシステムはDigitraxを使っています。Decoderは米国のNMRA標準に準拠していればどこの製品でも動作しますが、Command Station, Booster, Occupancy Detector等を接続するLocoNetはDigitraxの独自規格で他社製品と混用することはできません。(実験していませんが、物理インタフェースも異なっており多分無理だと思います。)

国産のDCCシステムは、DesktopStationさん、zスケールを製造販売しているロクハンさんがe-トレイン コントローラの名称で販売しています。私の知る限りDesktopStationさんはPCでコントロールできる機器をそろえているようですが、ロクハンさんはThrottleの代わりにスマホを使う仕組みは持っているようですがPCとのインターフェースは無いようです。HPは次の通りです

DesktopStation Desktop Stationについて

ロクハン    ロクハン (rokuhan.com)

NMRAはNMRAが認めた製造事業者にManufacturer ID code を発行しています。HPに掲載されている最新(Revised: 6 March 2021)の情報ではCountryがJPで登録されているIDが7社掲載されています。KATO(40)、DesktopStation(140)、永末システム事務所(103)、NAGODEN(108)、Nucky(156)等が登録されています。(内)がIDです。DecoderではCV#8にIDが登録されています。ロクハンは見つかりませんでしたが、ほかの名前で登録されているかもしれません。

 

ソフトウエアはドイツのFreiwald Software社のTrainContlloler Ver.9を使っています。Windowsで使えるソフトウエアで私が知っているのはTrainContllolerとDesktopStationがありますが、ソフトウエアを市販しているのはTrainContllolerだけで、DesktopStationは無料で利用できるとありますが、使ったことが無いので評価はできません。

TrainContllolerを使ってみての印象は、これまでにTrainContlloler自身の問題でHang-upしたことはありませんが、Digitraxが提供しているUSBドライバーがおかしくなって再インストールしたことが複数回あります。状況としては、TrainContlloler起動時にレイアウトのDataを吸い上げるときにHang-upします。調べてみるとUSBドライバーに問題があり再インストールで解消しています。

 

 

 

 

 

自動運転 6列車の自動運転(1)

久しぶりにブログを書いています。

皆さんに自動運転をどのように実現するか順序だてて説明するつもりでした。しかし、多くの方に興味を持っていただくためには実際の自動運転をビデオで見ていただくのが早いと考え直し実際のビデオを作ってみました。

 

現在のレイアウトは大きく二つの部分に分けられます。

Layout_Baseは基本の複線ループで図の上部は2面4線の駅を想定しています。駅の部分は2層構造の上部になります。

Layout_Base

もう一つは留置線3線に接続するLayout_Yardでヤードに接続する手前に1面2線の島式ホームを設置しています。

Layout_Yard

OSMやISS1等はブロックにつけた名称です。OSMはOuter South Mainのつもりで、外廻り南本線を意味しています。ISS1はInner South Sub のブロック1のつもりで、内廻り南分岐線のブロック1を意味しています。同様にYard線は最初にYをつけY1EはYard 1 Eastのつもりでヤード線1東を意味しています。ブロック名の近くの線路が青くなっていますが給電場所を表しています。なおポイントへの給電場所も青くなっています。また橙色の線路は線路端のどちらかが絶縁ジョイナーになっていることを示しています。ヤードの東側にも設置されていますが、記載忘れです。

S001はポイントのアドレスです。

SwitchBoard1

SwitchBoard1はTrainContllolerのメイン画面でレイアウト全体を表示しています。実際のレイアウトではヤード部分が2層構造の下部になりますが、SwitchBoardでは画面上部に表されています。
SwitchBoard1はTrainContllolerのTimeTableが起動する前の状態で、ブロックが赤くハイライトされ列車名が表示されているブロックに列車が在圏していることを示しています。これらのブロックから各列車が出発します。

 

今回は手持ちのDCC機から次の6列車を選びました。

No.1 9600(天賞堂)牽引の2軸貨車、LokSound5(タクマ貿易音源)

SwitchBoard1ではBlock YSSに"9600"と表示されています。 

No.2 583系TOMIX)5両編成(2M3T)、LokSound5(DesktopStation音源)

SwitchBoard1ではBlock OSMに"はつかり"と表示されています。

No.3 EF-81(KATO)牽引 4両編成北斗星、LokSound5(DesktopStation音源)

SwitchBoard1ではBlock ISMに"EF81 98"と表示されています。

No.4 キハ58(天賞堂)2両編成(1M1T)、QSI

SwitchBoard1ではBlock ISS1に"キハ58 621"と表示されています。

No.5 キハ58(天賞堂)2両編成(1M1T)、QSI

SwitchBoard1ではBlock ISS2に"キハ58 545"と表示されています。

No.6 キハ58(天賞堂)3両編成(1M2T)、QSI

SwitchBoard1ではBlock OSSに"キハ58 508"と表示されています。

 

これらの列車を選んだ理由はいくつかあります。

まず新たにDCCを搭載するのにそれなりの時間がかかるため、DCC既搭載車両であること、DCCDecoderの種類が偏らないこと、車両メーカを複数にすること等です。

今回のレイアウトには2%と3%の傾斜があり、一部はカーブになっています。某社の車両は直線では傾斜があっても問題ありませんが、カーブで極端にスピードが落ちるものがあります。

TrainContllolerではTimeTableが車両のスタート時刻を決めていますが、スタートした後はScheduleに従って加減速、停車、汽笛鳴動等の動作が決まります。しかし、TimeTableは1分単位になっておりできるだけ多くの車両を同時に動かすためには不十分です。このためTimeTable上では3列車が同時に出発する様にして、それぞれのScheduleでDelayを設定して出発時間を秒単位で制御しています。

以上の状況でビデオ撮影したものをYouTubeにあげました。興味のある方はご覧ください。車両の室内灯の一部不点灯、DCCを搭載していない車両の前照灯・尾灯の点灯違い、等々細かい調整が不十分であることはお許しください。

またビデオ撮影はそれぞれ異なる時点で行われたため(一人で複数のカメラで同時撮影は困難)、背景が微妙に異なる場合があります。各ビデオは汽笛鳴動等を基準に時間軸を合わせています。

ビデオは約14分ほどです。

 

youtu.be

 

 

CV値の考察(6)動力性能・走行性能(2)試験用線路

CV値の考察を書き始めて、実際の映像がないと実際の動作がわかりにくいと思い、試験用の線路を考えてみました。

今回設置した試験用線路は手持ちのKATOユニトラックのR730、S246FとS369を組み合わせた楕円形のループ線です。全長は5816.73mmになります。

DCC機器はこれも手持ちのKATO DCS50KとDesktopStationのDSswitchを走行中のコントローラから送出されているスピードステップ数(実際は%表示)を確認するために設置しました。

R730とS246Fの一組は両端を絶縁してありコードの切替で簡単にプログラムができるようにしてあります。

 

                                           試験用線路 全長5,439.73mm 

 

KATO DCS50KとDesktopStationのDSswitch

同一メーカの同一機種であれば殆ど走行性能は変わらないと考え、これも手持ちの天賞堂のプラスチック製C58の51030、東北タイプ 平底テンダー(C58 19)と、51031、船底テンダー(C58 402)の2両を使います。これらの商品は既に完売になっていますが、DCC用に8Pコネクタが設置されておりDCCファンにとって使いやすい車両です。

C58 19

C58 402

試験方法

2両のC58を同一アドレスCV#1=3に設定します。2両を各々S246Fの先端に車両先頭を合わせて搭載します。Decoderは2個同じものとするためDigitraxのDZ125を使います。

後ほど動画で見てもらいますが、本来は同じ走行性能であるはずですが、実際はC58 204の方が同一スロットル(%)でもスピードが速く、C58 19がスピードが遅くなっています。これはアナログDC運転でも同様で、個体差と考えられます。試験ではC58 204のCV値を変えてC58 19はDefault値でCV値の効果を見ていきます。

C58 19を基準に、次の通り運転します。

①スロットルを1ゆっくり回し半円形の頂点に達するまでに10%へ加速します。

②直線区間に入るまでにスロットルを20%まで加速します。

③直線区間通過後次の半円形の頂点に達するまでに30%まで加速します。

④直線区間に入るまでに40%まで加速します。

⑤半円形を40%で定速運転します。

⑥直線区間通過後次の半円形の頂点に達するまでに50%まで加速します。

⑦直線区間に入るまでに60%まで加速します。

⑧半円形を60%で定速運転します。

⑨直線区間通過後次の半円形の頂点に達するまでに80%まで加速します。

⑩直線区間に入るまでに100%まで加速します。(DSswitchの表示は99%)

⑪この状態で定速運転を周回運転します。

⑫これ以降、①から⑩までの逆手順で減速していきます。

 

条件を変えない(Default)C58 19を基準に運転しますので、本来は同一試験時間になるはずですが、スロットルを回して速度調整しているため試験時間は2分28秒~2分40秒まで最大12秒ほど異なっています。特に低速時の差が大きく出ています。ただ、基準のC58 19との差分を計測していますので、大きな問題は無いと思っています。

試験の最初はCV#2(Vstart)、CV#5(Vhigh)、CV#6(Vmid)の試験を行います。

試験1(CV値(1))

DigitraxのDefault値であるCV#2=0、CV#5=0、CV#6=0で試験します。本来は同一の動作をするはずですが、個体差もあり7周の試験でC58 409が1,850mm先行しています。

 

 

 

 

 

CV値の考察(5)動力性能・走行性能(2)ステップ数と実際の速度(2)

前回DZ125で試験するとどうもDZ125の動作がおかしいと思うようになり、DigitraxのHPを見ているうちに、DZ125がディスコンになっていることがわかりました。何か原因があるのだろうと思い、さらに試験をしてみることにしました。

まずDZ125のCV#5(V high)を変えて測定してみました。

その結果は上図の通りで、本来STEP0%からCV#5で指定された最高速度まで直線的に速度が変わるはずですが、STEP50%まで全て同一カーブでそこからCV#5により速度が変わっていることが読み取れます。これは明らかにおかしなカーブです。

 

そこで他のDecoderとの比較及びDZ125を DigitraxのDecoder manual 6.13.2 High Resolution 28 Step Speed Tables CV65-95 を使った比較を行いました。なお、CV#29を16に変更してあります。CV#59-95はDZ125に記録されていた値、Default値をそのまま使っています。数値を見る限りSTEP0%からSTEP100%まで直線的に設定されています。

これらの測定結果は下図の通りです。

 

結果はご覧の通りDigitraxの古いバージョンのDZ123に比較してもおかしなカーブを描いています。LenzのLF100FXは比較的DZ123ににたカーブを描いています。前の図と比較すると、CV#5=100のカーブに似ているようです。

DZ125の動力性能が明らかにおかしいことがわかりました。

そこでDigitraxのHPからHelpDesk宛てに二つのグラフを添付してメールをしました。

5月31日、Digitraxから "You will have to send it in for replacement"で始まるメールが返ってきました。日本のメーカーであれば何らかの謝罪文から始まるところですがそこは米国のメーカー。命令口調で送り返せは取り替えるとのメールです。

DZ125はかなり前に10個まとめて他のものと同時に米国の通販サイト "Litchfield Station"から購入したものですが、3個がどこに使った見つからず未使用の4個と使用済みの3個を送り返すことにしました。本日郵便局からEMSで送り返しました。送料がなんと¥3,900と高額です。

前回のステップ数と実際の速度(1)と今回は結果的に不具合のあるデコーダーのデータですので、参考にしないでください。記録のため消去せず残しておきます。